「私の男」

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をカンボジアに行く飛行機の中で読んだ。読んだら辞められなくなった。羽田空港の本屋をブラブラして何となく買った。もちろん帯には直木賞受賞!の文字、本の装丁も最高によかった。なによりもタイトルがいいなと思った。南に行くのにもかかわらず、私はすっかり本に夢中になり北に向かっているような心地になった。すっかり本に心をもっていかれてしまった。こんな本は本当に久しぶり。本の世界に吸い込まれどんどん読み続けてしまう。残りのページが少なくなっていくのが嫌で仕方がない。この世界が終わってしまうのが勿体ないと思った。せつないとも。だから限りなくゆっくり読んだ。隣で爆睡している母の存在は殆どないも同然だった。風邪気味で具合が悪いという。それでも、ご飯の時間だけはちゃんと目を覚ますからスゴイと思った。ご飯を食べたら又すぐに寝ちゃうからお互いにとって都合がよかった。タイカレーと白ワインを飲みながら本を読み続けた。途中、右隣のインド人に話しかけられ危うく長丁場になりかけた。彼はタイでコンピューター関係の仕事をしているらしかった。日本にもビジネスで来たのだと言っていた。日本の寿司は旨く、寿司以外の色んな料理も美味で、街は洗練されていて綺麗なんだそうだ。その時の私はすっかり本に心奪われてたので、そんなことどっちでも良かったのだけど、適当に話してどうにか回避した。タイ人の美人スチュワーデスにもらった濃いコーヒーと持参したチョコレートを食べながら本の続きを読もうとした。インド人にもチョコレートをお裾分けして、have a good flight, see youって感じにイヤホンをして音楽を聴いてる振り。もちろん本当は聞いてなかったけど、そのうちインド人も手持ち無沙汰に映画を見はじめた。すぐに本に吸い込まれた。北へ。読み終わってあまりによかったので呆然とした。パラパラと読み返した。なんだかもうこの小説はスゴイなと思った。嫌な人は嫌かもしれないけど、私はすごく好き。生理的に好き。だいたい本屋にて、桜庭一樹って誰だよ?って思ったケド去年も直木賞候補になる位有名な人みたいだった。男かと思ったら女だった。とにかく「私の男」はスゴイな。滅茶苦茶だけどスゴイ。感想なんて書けない。こんなに私自身が持っていかれた小説は本当に本当に久しぶり。



ついでにカンボジア、プノンペンの友人の家に最新号の文芸春秋があったんで(家族がお土産に買って持ってきたもの)芥川賞受賞作「乳と卵」も読んだ。南国風のアパートメントのプールサイドにて、朝。カンボジアと日本は二時間時差があるので、どうしても朝は早く起きてしまう。カンボジアの朝は日本よりも二時間遅れている。カンボジア時間で朝5時に起きて、インスタントコーヒーを片手に周囲を散歩した。キッチンに置いてあったバナナチップスも失敬した。南国とはいえ朝はほんのり肌寒く、私はノースリーブの上にカーディガンを羽織った。コーヒーとバナナチップスと文芸春秋を持って、亜熱帯植物が鬱蒼と茂ったテラスを抜け、管理の行き届いた青く漂うプールサイドにて読書した。バナナチップスが最高に美味しい。カンボジアのバナナは小ぶりなものが多くバナナチップスは輪切りではなく縦にスライスしてあった。とても甘くて南国の味がした。で「乳と卵」短いのですぐに読み終わったけど、私にはその良さが全然解らなかった。なんでこれが賞をとったのかも不明。意味が解らない。タイトルがいいからか?作者がちょっと奇抜な美人風だからか?豊胸手術なんて、今時そんな大したこととも思えないし(したけりゃすりゃーいーじゃんって話で)思春期の女子が母親と口をきかなくなるのも普通過ぎる。普通の話を普通に纏まるように書いたって感じ。そこがいいのか?卵を投げ合うシーンなんて、卵ってとこも含めてあまりに象徴的でわざとらし過ぎて恥ずかしい感じがしてちょっと馬鹿馬鹿しくなった。しかもラストはなんとなく和解しちゃう母娘。ふーん。簡単すぎないか?主人公も登場人物も私には魅力が感じられなかった。「私の男」が強烈過ぎたからか?好みの問題か?ちょっと酷く書きすぎたな。でも素直にそう思ってしまったの。ワタシ個人の勝手な感想。



b0090823_1015179.jpgb0090823_10154738.jpgb0090823_10163816.jpgb0090823_1016887.jpgb0090823_1018331.jpgb0090823_1017294.jpgb0090823_10174455.jpgb0090823_10182810.jpgb0090823_1317068.jpg飲み終えたコーヒーカップと残り僅かのバナナチップスを持って、友人の部屋に帰った。もう7時に近い時間になっていて、皆起きて身支度などしていた。ワタシも簡単にシャワーを浴びて着替えて日焼け止めをぬった。友人が市場に朝ご飯を買いにいくというのでついていった。ドライバー付きの車に乗って。カンボジアの人は朝食を外で食べることが多いらしく、朝から市場の食堂は賑わっていた。あらゆる匂いが混沌とした市場独特のむせるような異臭がそこら中に立ち籠めていた。色々ある中でも代表的な朝ご飯バーイ サイッチュルークを買うことにした。豚の炭火焼のっけご飯みたいなの。人気店らしくすごく繁盛していた。近頃は炭火を使わない店が多くなってきたらしくて、断固炭火にこだわるこの店は断然味も良いとのこと。少し離れた所で麦わら帽子にマスクをしたオバさんが煙まみれになりながら黙々と豚を焼いている。勿論炭火で。次から次へと客が来る。店の前でも食べれるし、テイクアウトも出来る。私達はバーイ サイッチュルークと他にも豚の角煮やショウガ炒め等いくつかのお惣菜を買って帰った。途中とんでもないものと目が合った。着古した子供服が野菜の隣でてんこ盛りになって売られていた。いかにも肉屋という肉屋が血まみれな感じで並んでいた。ふくよかな女ブッチャーが丸太のようなまな板でお喋りしながら肉を叩き切っていた。トロピカルフルーツも買った。得体の知れないフルーツの数々。ワタシはトロピカルフルーツ好きじゃないのであまりそそられなかったけど、友人はせっかくだからと、あらゆるトロピカルフールツを少しずつ買ってくれた。大量の緑のオレンジで絞った絞り立てのオレンジジュースを飲んで、バナナチップスを大量に買い込み市場を後にした。朝からもうお腹一杯。しかし、ここのバーイ サイッチュルーク、カンボジアで食べたどの料理よりも1番美味しかったな。
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by holly-short | 2008-03-06 10:18
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